読書:『なぜ意志の力はあてにならないのか―自己コントロールの文化史』

欲望に満ちた現代社会、遺伝学が性格に取って代わろうとしている。p23

↑行き過ぎの行動から病気の領域を取り除く24


なぜ意志の力はあてにならないのか―自己コントロールの文化史

上品な文章とでもいうべきか。エッセイとはかくあるべきなのかもしれない。

著者の博学(衒学趣味のにおいもしないでもないが)の一例として、サイレンの話は印象深い。サイレンは美しい声で船人を魅了し,島に上陸させてはこれを滅ぼしたと伝えられる。トロイア戦争から帰国するオデュッセウスの船がとこの島にさしかかったときには,部下の耳を鑞でふさぎ,自分の体は帆柱にしばりつけておいたため,彼のみセイレンの歌を耳にしながらも,無事にこの難所を通過することができた。

このオデュッセウスの例は、セルフコントロールの本質を突いている。

彼は前もって準備をすることで欲望を抑えられることを知っていた。精神力で何とかなると、自分を過大評価するほど愚かでなかったのだ。

このサイレンの話から伺えるように、本書に収められた各エッセイの論調は、おしなべて人間それ自体の能力に不信感を抱いている。部分読みなので、読み違えはご容赦を。hiro

人生は? 遺伝・環境(一般的傾向)or 努力意志(書き手)

自己コントロールとは二次的欲求に従うこと28

もっとも一次的も大切で、人間の成長の糧となる。自己コントロールでは、わずかな手間・面倒が決め手。50 プリコミットメント (締め切りが私の支えだ)67

iPhoneは便利ではあるが、退屈な本を読むときに、ゲームや映画、テレビまで見れるとなると、読書に集中するのは至難であろう。p80

ディケンズが結論づけてるように「レーガンがアメリカを誘惑に出会わせた」ことは間違いなさそうだ。p100

教育の程度が高ければ衝動をコントロールする力が強いと見られている」(p113 )とあるが、これは《浪費するアメリカ人》にかいてある、程度が高い女性ほど、消費傾向を見せるという記述と対立する。

ダックスワーストセリグマンは、今度は楽しみを先延ばしにする実験と知能テスト(IQ )との関係を調べた。するとIQよりも自己コントロール能力の方が、将来の成績を予測する指標として遥かに優れてることが明らかになった。p156 《ツールズ・オブ・マインド》

具体的な強制が存在する場合は別として、人は自分の行動に責任があるという考え方をもとに、世界は成り立っている。たとえこの考えが当たってないにしても、そう考えなければどんな社会が構成できるかわからないではないか?個人の責任を認めないとしたら、人々の暮らしはどうなるのか?p218

大事なのは自分で決定しているという信念を失うのはとても危険だし、実際的ではないということだ。~自分の行動をコントロールしているという想定なしには人は暮らせない。p219

アブナーオファーは、だからこそ西欧民主主義では公的部門がこれほどまでに肥大したのだと指摘する。彼にいわせれば、人々は国家が提供する様々な便益のパッケージの方が、それぞれ勝手に金を使った場合よりも役立つことを理解している。この考えかたからすると、税金はコストのかかるプリコミットメントで、選挙民が浪費してしまって後悔しないように、老齢や病気、貧困に備えて保険をかけていることになる。p327

本当のことをいった方が良いらしい。嘘をつくのは自己コントロール能力に負荷をかけるからだ。~嘘をつくと、誘惑に抵抗するのに必要な心理的なリソースが減るらしい。p347


なぜ意志の力はあてにならないのか―自己コントロールの文化史

Japanize: 翻訳完了

 

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