翻訳

翻訳:Vox.comなぜロッテン・トマトのスコアはそれほど重要ではないのか

 

(以下翻訳)

今日のハリウッドにおいて、ロッテン・トマト(以下R・T)のトマトメーターは高いステータスを維持している。

A certified fresh(鮮度保証)バッジは、映画を売り出すマーケティングツールとしても利用される。そのためか、映画制作者たちは自らが手がける映画が、R・T上で好ましい評価を受けているかに敏感である。

しかしトマトメーターが示す数字は、映画の“質”を表さない。その数字はネット上の総意なのだ。

今夏に入ってから、映画関連会社の幹部がR・Tを批判し始めた。R・Tの批評システムのせいで、映画のヒットを台無しにされたからである。『ベイウォッチ』、『パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊』、『ザ・マミー/呪われた砂漠の王女』などの興行は期待はずれに終わった。

ハリウッドはスケープゴートを必要とした。Fandango(オンラインチケット販売サイトの大手)は販売ページにトマトメーターも載せていために、映画関連会社にとってR・Tは、憤りの対象となってしまった。

だがどのように機能しているかを理解すれば、R・Tのトマトメーターが映画のクオリティではなく、批評の総意を提示するのに適したサービスであると結論できる。つまるところ、トマトメーターの集計方法に秘密があるのだ。

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翻訳:Vox.com科学捜査を変えた「死のドールハウス」

現在Netflixではデイヴィッド・フィンチャー監督の『マインド・ハンター』が視聴できる。原作本はFBI捜査官ジョン・ダグラスを取材したものらしく、元々翻訳されていたものが、最近ハヤカワ・ノンフィクションで新たに出版された

フィンチャー映画は嫌いではないので、『ハウス・オブ・カーズ』もすでに全シーズン視聴済みと、我ながらかなりの入れ込み具合であるが、今回の記事とはあまり関係はない。

 

話を『マインド・ハンター』に戻そう。1977年、犯罪心理学や犯罪プロファイリングのまさに草創期であったこの時代に、連邦捜査局を舞台に、ある一人の捜査官の活動から犯罪分析に一領域を築くまでの道程を描く本作は、刑務所入りになった犯罪者との面談を通じて、試行錯誤を続けていくうちに、捜査官のうちに生じるある葛藤が、このドラマのテーマである。手法も確立されていない時代なので、同僚との軋轢は茶飯事であるが、(のちの)彼女や教授などのメンターの助言で、学問発展につながることもあり、まさに一進一退で、見方によっては視聴者に「退屈」と唾棄されても仕方ない作りかもしれない。わたしはフィンチャー流の映像美があればおなかいっぱいなので、視聴体験は幸福に満たされていた。

 

さて、今回のフランシス・グレスナー・リーは、同じ捜査官でも変わった業績を残している。彼女の作り出したドールハウスには、首つり、自殺、殺人などの風景が描かれている。このドールハウスが、じつは調査活動に携わる科学捜査官の訓練に使われているというのだ。フランシス・グレスナー・リーの『Nutshell Studies of Unexplained Death』はスミソニアンアメリカン芸術博物館で展示されている。この複雑かつ不気味なジオラマは、科学捜査と芸術という二つの領域をまたがる、類い希な作品となっている。 (さらに…)

翻訳:ユヴァル・ノア・ハラリ『サピエンス全史』ガーディアン書評

世界史の勉強はしてきたつもりだったが、視点や書き方によってこうも面白くなるのかと感服したしだいである。本書の一番の魅力は、読者に思考を促すことにある。著者は無知な人間を想定していないらしく、いちいち講義などしない。こうした接近の仕方に反応するように、世界の発展をどのように捉えているのかを知りたい気持ちにさせてくれる。私感として、読者を信頼することで生まれた知的雰囲気を帯びていると言える。

少し気がかりなのは、著者の大雑把な断定や文化、貨幣などなどの漠然とした理解をベースに構成されている点で、確かに歴史初学者にとっては良いかもしれないが、一般読者は過信は禁物である。

初期の人類を扱う章、特にホモサピエンスと他の種との交流部分は読者の心をわしづかみにすることだろう。まずはそこを読んでから読書を続けるか判断すると良いかも。本全体の批判者でも、この部分だけは褒めていることが多い。

Sapiens: A Brief History of Humankind by Yuval Noah Harari – review

https://www.theguardian.com/books/2014/sep/11/sapiens-brief-history-humankind-yuval-noah-harari-review

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翻訳:トマス・クーン 『科学革命の構造』ガーディアン紙「ベスト・ノンフィクション100」

 

https://www.theguardian.com/books/2016/jun/20/100-best-nonfiction-books-all-time-thomas-s-kuhn-structure-of-scientific-revolutions-paradigm-shift

(以下訳文)

トマス・クーンは科学革命という概念を考案したわけではないが、そこに特別な意味合いを持たせた「パラダイムシフト」というフレーズを作り出し、この上ない賛辞を受けるほど評判が良かった。ニューヨーカー紙に風刺漫画が4作(1974年から2009年まで)も載ったほどだ。

最初の漫画の内容はこうだ。マンハッタンのカクテルパーティにて、ベルボトムを履いた若い女性が禿げかかった人物をこういう風に褒める。「すごいですね、ガーストンさん!あなたはパラダイムという言葉を現実世界で使った初めての人ですよ」

科学の理解や、科学史の合理的な解釈として支配的な考えに驚くべき影響を与えた点で、『科学革命の構造』はこうした一連の評価に値する。(この本の散文は時にわかりにくいことはあるが)

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翻訳:リチャード・ドーキンス 『利己的な遺伝子』 ガーディアン紙「ベスト・ノンフィクション100」

ご無沙汰していたブログ更新です。今回はガーディアン紙の特集で面白いモノがあったので、そちらから翻訳しました。

ドーキンスの本作は、大学生(特に理系)なら一度はチャレンジしてみたことがあるでしょう。どちらかというと生物学に疎い私でも、SFにはどっぷりはまっており、その延長で『利己的な遺伝子』を読むと、あら不思議、ディストピア風な世界観が待ち受けているではないですか(もちろん価値観をこの本に持ち込むのはナンセンスなのは承知してますが……)。

ソラリス』と『Brave New World』のあいだに収めているような読者を受け入れてくれるのかはわかりませんが、あまり難しいことは考えずに、ダーウィニズムとの位置関係を理解するため書評を翻訳しています。誤訳などあったら指摘していただけるとありがたいです。

(以下翻訳)

The 100 best nonfiction books: No 10 – The Selfish Gene by Richard Dawkins

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